2016年6月21日火曜日

イニシエ


梅雨らしい蒸し暑い日が続く先週の火曜日

京都でのレッスンを終え、そのままレンタカーで奈良県へ


大峯山の麓、天川村に行ってきました


一泊二日の小旅行にはちょうど良い距離で、橿原を抜けて吉野を横目に見ながら国道309号線を南下、トンネルをいくつか抜けると次第に緑が深くなっていきます

暑い日だったので車の窓は閉めエアコンをかけていても、それでも次第に空気が変わってゆくのを感じる

そして

ふと、先月サンフランシスコから向かったヨセミテ国立公園を思い出しました


ヨセミテは、呆然と立ち尽くすほど物凄いスケールの岩山が無数に腰を据え、天川村への道中とは全く様子が違うのでどうしてかわからなかったけど

それでもヨセミテと同じだな

と感じたのです


夕方過ぎに洞川温泉の宿に到着

宿の主人に「お世話になります」と頭を下げると、愛想良く3階の部屋まで案内してくれた。先に着いて夕食を始めている客が何組か居るらしく、今ならゆっくり温泉に入れると案内もそこそこに風呂に放り込まれるかたちになった。

言われた通り風呂に入ると、確かに誰も居ない貸切状態である

洞川温泉の泉質は、特別トロトロするわけでも、色が付いているわけでもないが、ちょうど良い温度でしっかり身体の芯まで温め、癒してくれる。見た目からの想像以上にしっかりと身体に効いてくるから驚く。


夕食は一階の縁側にある別室に案内され、名物のこんにゃくから塩焼きの鮎、そしてグツグツと言い始めた猪の鍋に手をつけようとした時

縁側をバタバタと歩いてくる音がして、部屋の障子を勢いよく開けた宿の主人

今、蛍が飛んでいるらしいです!

「へぇ〜、今年は観てないです」

歩いてすぐの龍泉寺です!

「へぇ〜」

......(´・_・`)

「え?!今?!」

ご飯の途中で猪鍋のフタを取ろうとしていたところだが、宿の主人が動かないので下駄を借りて夜の龍泉寺へ。

カランコロンと音を鳴らし温泉街の小径を下る

昼間なら天然の鱒の群れが見える澄んだ水の川

小さな橋を渡るとすぐに龍泉寺に着いた

境内に入るとそこは真っ暗で足元はおぼつかなかったが、すでに何人か蛍を観に集まって来ていて、賑やかだった

池や小川の川草の間をフワフワと揺れる黄緑色の小さな光をいくつも観る事ができた。蛍の乱舞とまではいかないが、少ないわけでもないので、風流までもがちょうど良い今回の旅。

そしてふと大きな木にとまった蛍を見上げると、その先の夜空には少なめの星たちが遠慮してポツポツと輝き、月がくっきりと見えていて、その何とも言えない素朴だけども幻想的な光景は、人に優しくしたくなる、そんな気持ちにさせてくれるのです。

そして、夕方

ここへ来る途中に感じた、天川村とヨセミテとの共通点


それは

遥か古の人々に思いを馳せることができる

ということ

まるでタイムスリップしたかのような錯覚

でも間違いなく、この月明かりのみが優しく照らし出す山々は、今も昔も変わらない

きっとそれを優しい眼差しで見つめた人たちがいた

そう感じずにはいられなかったのです

ただそれだけのことで涙がでるのです



翌朝




早めに宿を出て、今回の旅の目的地である天河大弁財天社へ


とても素晴らしいところで、境内のベンチにいつまでも座っていたくなるような何とも安らげる場所





その後は、みたらい渓谷を散策







とても美しい水

先生と一緒に来ていた子供たち





またひとつ
帰ってきたい場所ができました。


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