2017年11月28日火曜日

永源寺の主



水曜日。



ドローン救出作戦を決行...!!





その前に


前日の火曜日


ウェットスーツのレンタルをネットで見つけたけれど

amazonじゃあるまいし翌日には届かないので近所のサーフショップなどを探していた矢先





そう言えば

夕方のウクレレの生徒さんはトライアスロンをされていたな、、、


尋ねてみると、速攻でチームメイトから僕のサイズに合うものを借りてきてくれました


トライアスロン...



万歳!!



(笑)



そしてその日の夜

生まれて初めてのウェットスーツを着てみました


なんというか



着にくい(笑)


独特のタイトなフィット感というか、ピチピチなんだけど


でもでも


あたたかい


昼間にゴーグルとスイミングキャプも用意したので


これでバッチリ。


と思いきや





よく考えたら


どこで着替えたらいいんだ?


更衣室もなければ、トイレも狭くて個室も一つだったし...


永源寺の観光に来たおじいちゃん達が


とめどなく利用するのです...


ササッと着替えられたらいいけれど


なんせピチピチなもんで...


かといって河原で着替えたら捕まりそうだし





この橋の上を団体さんが通るので(笑)


僕の車は小さいので着替えられないし...


かといって

最初から着ていくにはピチピチなので運転しづらい。


うーむ

悩ましい


そして


水没させた日に後先考えずに川に入った時にわかったのが

川底が岩やら石ころで足の裏が痛いのなんの...

だから滑らないシューズが必要なんだけど

ビーチサンダルでは心許ないし...

調べてみたらマリンシューズと言うらしいですが

これは準備してない...


そんなわけで色々調べてみたら

ウェイダーなるものを発見


水に入って釣りをする人が着ているやつです


長靴が胸まで続いているようなやつ

田植えでも使うそうですが

これなら靴底は滑り止めだし濡れないし


最高じゃないか...!


と翌日の水曜日は朝から釣具屋さんへ


これまた調べてみたらめっちゃ近所にあるではないか!






ドローンを発見した時にすくい上げるアミも買えるし一石二鳥。


何十年ぶりだろう


釣具屋さんの中へ





おお...


いやいや、こっちじゃなくて





あった!


面白かったのが、ウェイダーって足のサイズで買うんですよ


26.5cmとかね


そりゃそうなんだけど、やっぱ靴の仲間なのね


ライオンがネコ科っていうくらいのギャップ。


網も買っていざ永源寺へ...




川に降りる前に観光協会のおじさんに挨拶すると

「お、ああ!この前の!」

「探しにきたんやな、気をつけてな」



終始、上から見守ってくれていました




さて


ウェイダーを着ていざ川へ


入って進んでみると

滑り止めが効いてていい感じ

全く水も入ってこない


素晴らしい


しかし


汚いわけではないけど透明度が低い川なので

網で川底を突きながら進まないといけません。


急に深くなったら頭まで浸かるかもしれないし

フラついて倒れたら

ウェイダーも関係ありません


ドボドボになる...


そして

ウェイダーのギリギリ、胸まで水がきました


となると


深いところはやはり僕の頭くらいまでの深さはあるかも。


川に入ってみても全く川底が見えなくて


とにかく網で突きながら探すこと一時間



結局見つけられませんでした...


胸までの水って結構な水圧で、足元もわからないし

水も冷たいので独特の恐怖感があります


あきめて岸へ上がります





脱いだウェイダー、ちょっとシュール(笑)


アミは突いているうちに岩やらに引っ掛かって破れました




参道の方まで上がっていき

屋台のノンアルコール甘酒で体を温めます。


あー


しあわせー


生きてるー





不意に

「兄ちゃん、あんなアミではあかんで」

「破れとるがな」

「投網はどうや?」

はぁ....


ワンカップ片手にピンク色の顔したおじさんに話しかけられた。


「鯉のやつは目が粗いから引っかかりにくいで」


へー、なるほどー


話を聞いていると、どうやらこのおじさん

毎週永源寺に来て日々の息抜きをしているらしい


「ワシは年中来てるけど、紅葉より春が好きやな」

「新緑が、キレイなんや」


年中、ここの水はこんな感じですか?

透明になりますか?


「ならんな」

「いつもこんな感じや」


そうですか...


ドローンが水没してショックだけど

こんな風に新しい出会いがあり

これまで知らなかった人生に触れる事が出来たということが


嬉しくもあり

あたたかくもあり

第一回救出作戦は失敗に終わったけれど

ちょっぴり軽やかな気持ちで帰って来ました。


そうそう


帰って来てウェイダーを洗って干しておいたら


オカンが



「えっ」


「人がいるー!!」





2017年11月21日火曜日

Lost




金曜日


久々のお休み。


永源寺に紅葉を観に行きました






ご覧のとおり人も疎らで、ゆっくりと散策しながら

見頃の紅葉を楽しめました。


予報では翌日からは雨ということだったのでベストだったかもしれません


というわけで


ここからは撮ってきた写真でお楽しみくださいませ


























































ここまではひんやりと澄んだ空気の中

静かな禅寺で晩秋の「紅」を堪能したわけです。


普段から運動してなかったらちょっと過酷かもしれない

と思われる参道の石段を降りてきたわけですが

上空からも撮影しようとドローンを飛ばしました。



すぐ横を流れている愛知川の方まで石段を降りてゆき

門前にある橋をくぐらせ、そこから上昇させる計画

そんなわけで飛ばしたわけですが





アプリにフライトの記録が残っているので貼っていきましょう





赤い三角がドローンで、中洲のように見える部分は実際は陸ではなくて川なんです


飛ばしてまもなく





橋をくぐったところで着陸時の警告が。


そんな操作してないのにビックリしたんですが

まだ機体が見えるところなので様子を見ていると

どんどん降下していきます。


ひょっとしたら橋をくぐらせたのが悪かったのか?


とか考えているうちに、高度が高くないので一瞬で川面へ突っ込みました






なんと



川に墜落



真っ青になって


あっけないくらい一瞬の出来事に


目の前で起こったことが信じられませんでした、、、


同じMavic Proの海ポチャ動画とかはいくつか観たことがあって


救出後に復活する事例もあり、とにかく助けなくてはと


墜落したあたりまで走っていって


寒空の下、服を脱いでTシャツ一枚、靴を脱いで

ズボンをまくって川へ入りました


がしかし


川が濁っている(涙)


そして


川底は大きな石でヌルヌルしていてなかなか進みません


それでも


少しずつ川の中央まで行こうとしましたが


すでに膝どころか腰まで浸かっていて、、、


意外と深いのね(泣)


この先どこまで深くなるのだろうとちょっと考えていたら

異変に気付いた永源寺の観光協会の方が降りてこられて

「はよ上がってきー!」

「風邪ひくでー!」

と地上を見ると

橋の上やあちこちにギャラリーが。


そらそうですね


多分みんな


「うわっ寒そっ、、、!!!」



って呆れてたはずだが


そんなことは


僕が一番知っている(泣笑)



恐ろしく寒い、、、



でも気が張っているからガタガタ震えながらも


足元に気をつけて岸に戻ってきました。


結局


近辺に船もなく


観光協会のおじさんも


「こんなん、どこに連絡したらええねん」


と困惑


「警察か?」





役場の方に電話して相談してくれたんですが


「人が落ちたわけじゃないしなぁ、、、」




なす術なし


売店のおばちゃんは


「なぁ、ドローンって高いんやろ?」


はぁ、、、(僕にとっては)


「なんぼくらい?4,50万くらい?


は、はぁ、、、(そんなに高くない)


とちょっとした騒ぎになったわけですが


あのまま探してもらちがあかないのは僕にも分かったし


それ相応の準備が必要です。


そんなわけで

一旦帰ってきて今日に至ります。


色々調べてるうちに



そういえば、ドローンの保険入ってたなと調べてみたら


損害補償だけでした、、、


そもそも


機体の保険もあるけれど水没は対象外だとか。


ドローンが回収不能だったり行方不明になるのを

そのまんまですが、LOSTと言います。


ここ数日


YouTubeでLostの動画ばかりみて

無事見つかって、乾かした後に復活した動画にイイねをつけまくる毎日。



そして


ちょっとモノクロになっている目に前で起こったあの瞬間の映像が頭から離れず


あの時


橋をくぐらせずに上から撮影すればよかった。


飛行中に機体の上に物が現れたら動作不能になる恐れがあったような気がする。


高度が下がった時に少しでも陸に近づけることができたのでは。


そもそも永源寺なんて行かなかったら。





自分の手で起こしてしまった事が悔やまれて悔やまれて、、、


でも何度も何度も考えるうちに



これって


事故に似ている



幸い、僕は人を傷つけるような大きな事故は起こしたことはないけれど



あの時


違う道を通っていたら。


どうして今日に限ってこの道を。


もう少しゆっくり走っていたら。


そもそも家にいたら。



そしてそれは


あっけないくらい一瞬で起こるのです。


いくら考えてもやり直しがきかない事なのに

グルグルグルグル考える。



翌日の土曜日



心斎橋のレッスンの空き時間に12階の小さなベランダに出る


そんな高いところにいながらも、どこを見渡してもビルとビルとビル。


ふと


このやり直しがきかないことで受けたショック

人はどうやって立ち直っていくのだろうか。



きっと



日々の暮らしの中で、1日ずつ、少しずつ、忘れていくのだろう。


でもそれは

時間を埋めてくれるものがあるからであって


そんなものが無い、天涯孤独の人はどうしているのだろうか




ビルの壁に映ったネオンの色がゆっくりと赤から紫に

そして青に変わっていくのをみながらぼんやり考えていた。


気がつけば


自分にとっては途方にくれるほど大きな事件なのに

あっけないほど一瞬の出来事であり、それに自分の心がついてゆけず


また彷徨い出すのだ。



昨日の晩

久々に能登のペンションクルーズのマスターからメールが。



「岡部くん、元気にしてますか?」


マスター、ドローンが川に落ちて悲しみに包まれているんだよ、、、


「あはは」


「ドローンだけにドローンと消えちゃったわけだね」


「悲しみに包まれて、浜省とユーミン合体(^ ^)」


くそー!!また買ってやるー!!


と相変わらずなやりとりに


なんだか


少し救われた気がします。


そして


とにかくドローンを救出したいと


昨日からウエットスーツのレンタルやら浮き輪やらを物色している岡部です。


えーっと

聞こえますか?

マビックくんゴメンね

冷たいだろうね


本当はね


来週少し休みがあるから

サイパンでも行って空撮映像撮ってこれからの映像作品に使いたかったんだよ

だから少しでも練習しようと思ってね

どこにも行かないで家にいろってことなのかな


とにかく

待っててね



そうそう


アプリに残っている僕のフライト記録を最後に。



2017年11月14日火曜日

クリスマスライブのお知らせ。



昨日


恒例の発表会を無事に終えることができました。


例年と比べ1ヶ月ほど遅い開催になりましたが、お天気も良く

寒さも心配していたほどではなかったのでホッとしました。


数年前からコーヒー、各種ジュース、そしてワインなどの

ドリンク提供していただいていて、今回はワインがよく出たようです。

きっと

みなさん出番を終えて緊張から解放されたのでしょうね(笑)


いや


開演前から飲んでる人いた!


見た!



(笑)






この発表会と同じ会場、フィガロホールで来月にクリスマスコンサートを開催します。


発表会の時とはちょっと違う特別なレイアウトにしていただく予定で

昨日の終演後はスタッフさんたちと打ち合わせをしました。


とても素敵な演出になりますので是非ともみなさまお越しくださいませ。


そしてなんとコンサートは2日連続です。

24日はフィガロホール、25日は京都の東急ホテルでこの日のための

クリスマススペシャルランチコース付きです。





そんなわけで


スタジオケロンパスも少しずつクリスマスっぽくなってきましたよ






それでは今日はこの、、、





そうそう


今日、近所の激安スーパー「ハズイ」へ行って

カレーのルーを買ってきました。

実は

カレーってスパイスからしか作ったことないんです

そんなわけで

初カレールーです(笑)


あと


ハズイさんは良質の野菜やお魚を扱っておられるのですが

これまた激安で、僕は「あごだし」を求めて行ったんです。


そろそろハードルの高そうな和食に挑戦したくなりました

まずは


「味噌汁」


結局、あご(トビウオ)が売ってなくて粉末で断念することに


イオンにも売ってなくて、ハズイさんにはあると思ったのに、、、


ではでは。

2017年11月7日火曜日

それぞれのやり方


11月3日。


昼間に生徒さん主催のチャリティーコンサートで演奏のお手伝いをするお仕事。

京都は御所の横にあるパレスサイドホテルには招待客で満席。

そして

ランチ付きという、なんという太っ腹なイベント

著名な方からお花や電報も届いていました。

日本画も描かれる女性で、50号の大きな絵画を数枚展示した中でのジャズライブでしたが


数年前


彼女はテレビ番組を観ていました


それは内戦の続く中東で、インタビュアーが少女に問いました


今、何が欲しい?


すると少女は言いました


「日曜日まで生きていたい」


その言葉に心を動かされたのです。


私にも何かできることはないか

そんな思いをずっと持ち続け、一生懸命にギターの練習をされました


チャリティーコンサートで集まった募金は「国境なき医師団」へ。


80歳にして、こういうイベントを企画し

自分の全てを、まさしく全身全霊で挑まれました。


本当に素敵でした


その夜


僕の尊敬する音楽家

坂本龍一さんの映画のプレミア上映がありました。


翌日の11月4日からドキュメンタリー映画が上映

来年1月にはニューヨークのPark Avenue Armoryでたった200人限定で行われた

スペシャルなライブの模様が上映予定ですが、僕が行ったプレミア上映では

なんとこの二本が続けて上映されるのです、、、!


三時間


休みなし(笑)


限定グッズもゲットして幸せでした




予告編がyoutubeにアップされてますのでリンク貼っておきますね。

「Ryuichi Sakamoto CODA」
https://youtu.be/Goo_LRPrnk8

「坂本龍一PERFORMANCE IN NEW YORK:async」
https://youtu.be/NSeGbbnhK3g



映画の中での印象に残る言葉

「もうちょっと、はずかしくないものを残したいんですよね」


僕がソロアルバム「matka」を作るキッカケになったのが

2004年の坂本龍一さんのピアノソロコンサートなんです。

DVDの映像を観て、そうか、こういうスタイルもありなんだなって思えた

大きなヒントをくれたんです。


今年発売されたアルバム「async」そして映画から

新しいヒントが得られるのではとワクワクしていたけれど


そんな単純なものではなかった


そこには、ただただ坂本龍一という生き方があり


「あなたはどうする?」


という、音楽家としての深くて重い問いかけがあった


僕はそう受け取ったのです。



翌日の11月4日


高槻までfebian reza pane さんのピアノソロコンサートを聴きに行って来ました。

パネさんは大貫妙子さんや小野リサさんのサポートをする素晴らしいピアニスト


サポートも素晴らしいけれど、彼のオリジナル曲の世界観が

僕のソロの曲と似ているところがあると、能登のライブでもお世話になった

ボーカルの田中志保さんが教えてくれたんです。





小さいスペースで、完全生音でのライブでしたが、表情豊かな音色から

いろんな楽器の音が聴こえてくる不思議。


特にチェロの音色


ピアノと語らいながら、その楽器が一番美しく響くポイントで演奏する


素晴らしいテクニック。


そして独特のタッチ。


そんな演奏を聴きながら


やはり


パネさんという生き方を強く感じていて


何かを吸収しようと思っていたけれど


昨夜の答えも出るどころか


ここでも


「あなたはどうする?」


という問いがより大きなものとなりました



そして今日


こうやって思い返しながらブログを書いていて


ふと


気づいたんです



やり続けること。


近道なんてないし


失敗したらまた次を考えれば良い


ただただ


やり続ける


小さな一歩の積み重ね


その先にしか答えはないんだよ


さらにその先へ行くには

また一歩ずつ歩いて行くしかない



考えている暇があったら動いた方が良い


でもそれは


実は


最近、自然と意識していたことであり


ああ、結局そうなんだな





再確認。




そうそう


坂本龍一さんの映画の中で

自宅で薬を飲むシーンがありますが、そこで僕も愛用しているklean kanteenの水筒が。


「あ!同じ水筒持ってる!」


と妙に嬉しかったのであります(笑)