2018年2月27日火曜日

英国。




ノーベル文学賞を受賞されたカズオイシグロ氏の本をお借りしました。

この本は20年ほど前に出版されたもので、受賞作ではないですが


面白いです。


受賞作は僕も持っていますが、文体に馴染めず10ページくらいしか読んでいませんでした。


しかし


この本は読めます(笑)


まだ途中だけれど、先が楽しみでなりません。


でもやはり独特の文体だなと思います。


さて


英国といえば


20歳の時、おばあちゃんが成人のお祝いにと



100万円くれた。


何に使おうか考えましたが、あまり時間はいらなかった


それを握りしめて僕は旅に出ることにしました。

行き先は


ロンドン


リバプール


エジンバラ


そう


英国です。


正確には、イングランドとスコットランド。


旅はというと

今と変わらず、宿も決めずに行き当たりばったり(笑)


ロンドンの楽器屋で安い中古のアコースティックギターを買い

よく響く地下鉄の通路で弾いていると

監視カメラがあり、すぐに2mくらいはあろうかという

ガッチリした黒人のガードマンがどこからともなくやってきた。


捕まる!と思ったら


野良犬を追っ払うように

突き出した右手の手首から先だけをヒラヒラと上下させたのでした


シッシッ


(笑)



でも

地下道やホームを歩いていると、壁に注意書きがありました


「ストリート禁止、罰金500ポンド」


きゃ〜


シッシッですんで良かった、、、



リバプールには特急電車で夜に到着し、まだ8時頃だけどすでに駅前は真っ暗。

相変わらず適当に見つけたホテルに泊まることができ

部屋でまったりしていると

夜中だというのに、なにやら外から数人がもめているような声が聞こえてくる

開ききらない窓を開けて何となくホテルの前の通りを見下ろすと

見るからに紳士淑女と思われる黒いコートに身を包んだカップルと

数人のガラの悪そうなギャングっぽい男たちが向かい合っていた。


と思ったら


「パーン」


とても軽く、そして乾いた音だった。


次の瞬間

コートを着た紳士が操り人形の紐が切れたみたいに一気に地面に倒れた

女の人の「NO!NO!」という声が暗い街にこだました。


ギャング達は蜘蛛の子を散らすように全く無駄のない動きで

方々に散っていき、あっという間に消えてしまった。


僕はガタガタ震えていた


だけどそれは


人として、最低かもしれないけれど


ヤバいことに巻き込まれたのではないか?


という恐怖からだった。


僕は目撃者である


0時をとっくに過ぎた時間だけれど

これから一部屋づつ警察が回ってくるのではないか

カタコトの英語でどうやって説明したらいいのか

ひょっとしたら、しばらく何処へも行けないのではないか


そんなことが何回も何回も頭の中をぐるぐる回っていた。


心細くてテレビをつけたら

観たことのあるホラー映画がやっていて

すぐに消した。


中学校の頃、友達と集まってはそのホラー映画を観て

うわー、痛そう!とギャーギャー笑いながら観ていたけれど

なぜ今、ここで、、、


結局、夜は誰も来ず

翌朝もチェックアウトの際になにも聞かれなかった。


今から考えると逆に怖い気もするけれど、、、


その後は何とも言えない気分のまま

でもせっかく来たのだから


ビートルズの聖地巡礼へ。


しかし


キャバーンクラブは休み。


その後、エジンバラへ向かい、そこでも道を尋ねると

全く逆方向のウソの道を教えられたり

ホテルがどこも満室だったり。
(後から聞いたら、たまたま4年に一度のフットボールの試合の日だった)


まあ、話が長くなったのでイギリスの旅の話はまた今度。



でも


あれから20年も経ったのか、、、



さてさて


先日

レッスンの帰りに行って来ました。



イギリス人画家のターナー。

絵は知っていたけれど、生い立ちやバックボーンとか

なにも知らなかったもので、音声ガイドをお願いしました。



ナレーションは、情熱大陸の方です(笑)

風景画の画家さんなので、旅が多かったようですね。

それは、英国のみならずヨーロッパの各地へ。


僕の理想の生き方です。


尊敬する山下清画伯にも通じるものを感じましたし


新たな僕の方向性というか


ヒラメキをくれたのでした。


ターナーさん、ありがとう。


図録が欲しかったけど、¥2,500だったのでお茶してから考えようと




京都文博の中庭にある前田珈琲にて期間限定のターナー展スコーンセットを注文。

セットといっても飲み物は別と言われる

ジェルトルマンたるもの、そんな事で動じてはいけない。

英国風ロイヤルミルクティーを注文。

完全に、英国の余韻に浸っているオッサンのオーダーに笑われながらも、、、





支払いの際




そんなに高いのね、、、


と思いながらも、そこはジェルトルマンなので涼しい顔で支払いを済ませ


図録はまた今度


ジェントルマンの潔さ。


気分は軽やか


清々しく三条通りを闊歩し地下鉄に乗る




ターナー展の受付に預けたウクレレをすっかり忘れており

トンボ返り。


身軽なはずである。


いや


これは


英国が呼んでいるのだ!

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